接待飲食費の金額基準の改正

交際費の損金算入制限

交際費の損金算入については、法人の資本金ごとにルールが定められています。

資本金100億円超:交際費の損金算入は一切認められません。

資本金100億円以下1億円超:飲食費等の交際費の50%を損金算入可能。

資本金1億円以下:飲食費等の交際費の50%か、800万円までを損金算入かを選択適用。

なお、個人事業主については、税法上の上限額はありません。

 

飲食等の金額基準の改正

令和6年度税制改正では、上記の交際費の損金算入のルールは変わらなかったものの、「交際費にしなくて良い」という飲食費の金額基準が令和6年4月1日以降、一人5,000円以下から1万円以下に変更となります。

コロナ禍での自粛が収まりつつある時期から、日本にもここ数年、大きなインフレの波が押し寄せてきており、飲食代等も値上がりが続いています。このようなインフレの状況を踏まえると、「5,000円では法人間の接待に使い辛い」という状況に対応したものになります。

また、今回の改正については、今般の価格転嫁、ひいては賃上げという経済の好循環につながる事も期待されています。

 

基準変更の際の注意点

適用が4月1日のため、3月末決算法人以外の法人については、期中に5,000円と1万円の金額基準が混在するため、経費精算システム等で誤りが無いようチェックする必要が出てきます。また、交際費ルールを社内規定等で定めている場合は、改正を視野に入れて、社内規定等を改めることを検討する必要があります。